2010年4月 1日
平成22年度「山口お宝展」協賛展示「武久浜墳墓群出土品」開催のお知らせ
山口県埋蔵文化財センターでは、これまで「山口お宝展」(山口商工会議所主催)に協賛して、施設内エントランスホールを利用して所蔵資料を展示し、広く埋蔵文化財の公開・普及に努めてまいりました。
今回の「山口お宝展」は、「武久浜墳墓群出土品」と題して、4月1日(木)からオープン中。平成13年度に発掘調査された武久浜墳墓群における出土品で、山口県指定有形文化財(考古資料)に指定(平成15年12月)されたもののうち、半両銭にスポットを当てて紹介しています。
武久浜墳墓群は、下関市武久町の海岸砂丘上に立地する弥生時代の埋葬跡です。弥生時代中期を主体とする箱式石棺墓11基などが検出され、棺内におさめられた副葬品(半両銭・ガラス小玉・磨製石剣)や、棺外に供えられた供献品(弥生土器)などが出土しました。
半両銭は、紀元前四世紀後半~紀元前二世紀後半(中国の戦国時代~前漢代中頃)まで鋳造されました。日本国内の弥生時代遺跡における半両銭の出土は、これまで5遺跡が知られていますが、わけても武久浜墳墓群出土のものは、唯一副葬品であることが注目されます。
また、半両銭とあわせて武久浜墳墓群からの出土品は、全国的に著名な土井ヶ浜遺跡(国指定史跡/下関市豊北町所在)をはじめとする山口県響灘沿岸地域に展開する弥生時代の墳墓群の特徴や消長、大陸を含めた他地域との交流関係を知る上で、きわめて重要な資料となっています。
展示は、半両銭(1枚)や弥生土器などの出土品のほか、写真や図を多く使用た内容としています。