西丸遺跡・東丸遺跡・宗藤遺跡 発掘調査成果報告会を開催しました
山口県埋蔵文化財センターでは、令和6年度に美祢市伊佐町伊佐にある西丸遺跡・東丸遺跡・宗藤遺跡で発掘調査を実施しました。その成果を地域の皆様に紹介するため、令和7年7月5日(土)に、美祢市伊佐町の伊佐公民館記念館大ホールで発掘調査成果報告会を開催しました。
報告会では、まず調査担当者がパワーポイントを使って遺跡の概要を説明しました。その後、今回の発掘調査の注目ポイントの3つの事柄(①山口県沿岸地域や北部九州さらには朝鮮半島との交流に関わる土器の発掘 ②古墳であった可能性がある性格不明遺構の性格を解き明かす ③首長の権威を示す、県内初・国内39例目の靫(ゆき)金具の発掘)について詳しい説明をしました。説明の後、発掘調査で出土した土師器、須恵器、陶磁器、鉄製品、石器等の遺物やレプリカを実際に見ていただきました。
熱中症警戒アラートが発表された猛烈な暑さにもかかわらず、40人の方々の参加があり、熱心に説明を聞いていただきました。報告会全体を通して寄せられた質問や感想には「遺跡はこの後どうなるのか。」「靫にはなぜ矢尻を上に向けて入れるのか。」「朝鮮半島にルーツを持つ土器が出たことに驚いた。」等がありました。来場者の皆さんは、調査成果の全体像を知り、実際の遺物等に触れる機会を得て、喜んでいただけたように感じました。
昨年度、現地での説明会を開催することができませんでしたが、今回たくさんの皆様に参加していただいて成果報告会を開催できて本当によかったです。これを機会に、埋蔵文化財に対する関心をますます深めていただければ幸いです。
※ 当日資料は下記よりダウンロードできます。
