概要・特徴
| 遺跡名 | 田ノ浦遺跡 |
|---|---|
| 所在地 | 上関町大字長島 |
| 主な時代 | 縄文時代~古代 |
田ノ浦遺跡は室津半島の先端にある長島の西側海岸に立地する、縄文時代から古代・中世にかけての遺跡です。高潮等による浸食、撹乱によって遺構の残存状況は良くないものの、厚く堆積した遺物包含層から出土した縄文時代から古代を中心とする多くの遺物が出土しました。これらから田ノ浦遺跡では、各時代における瀬戸内海の交易ルートの中継地として、集落が営まれていたと考えられます。
出土遺物のうち縄文土器は出土点数が多く、後期の土器を中心として前期から晩期のものが出土しました。他地域の土器も含まれ、県東部における縄文土器の様相を示す良好な資料です。また後期のドングリ貯蔵用の土坑が14基確認され、当時の食料保管方法を示すものとして注目されます。石器の種類も豊富で数量も多く、姫島産黒曜石やサヌカイトなどの石材や剝片も集落規模に比して多数出土することから、瀬戸内海ルートによる石材の搬入、集積、周辺遺跡への供給および石器生産が行われた可能性があります。
また奈良時代から平安時代にかけての製塩土器、都城系土器や緑釉陶器、帯金具が出土し、古代の様子も明らかになってきました。
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